『探しモノは何ですか?』





「四季様、ご報告があります」
そう告げてきたのは、小町ではなかった。
てっきり小町かと思ったけれど、振り返ってみるとそこに居たのは普段関わりのあまりない死神だった。
よく考えてみれば、小町にしては凛々しい声だったし、あの子はこんな昼間に訪ねてはこない。
ふむ。
ひとつ、頷く。
なんだか不安でしょうがない。




「はい……あと、置き手紙がありましたので」
でかでかと四季映姫に告ぐと書かれた手紙を渡され、早くも私の心は枯れ始める。
なんでこんなバカを雇わなきゃあかんのかと自問してみるが、そういう種族で生まれてくるのだから、どうしょうもない。
更に言えば、人手不足もある。こればかりは解決しようもなく、ついついため息が出てしまう。
「えーと、何々……自分探しします。探してください……」



「……死ね」





『探しモノは何ですか?』
著:riverside

 

   
2012.8.11.コミックマーケット82
ク-23a 川の流れに身を任せ
サイズ   A5
頒布価格 300円

 

 

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