ジェンティルドンナの衰えを確証させたハナ差 昨年、オルフェーヴルをハナ差で破り、ジェンティルドンナは一躍国際的スーパースターホースと評価されるようになった。 しかし、今年同じ舞台で昨年同様の僅差しかつけられなかったことは、ただ単に彼女の衰えを示すものであった。 昨年と今年のジャパンカップで彼女が得たレーティング(RPR:レーポスレーティング)の差は14(ポンド)にも及ぶ。 昨年は凱旋門賞2着馬のオルフェーヴルを彼女は退けたが、今年彼女が破った相手は、 牝馬限定戦のトップクラスの競走で3,4,5着と勝ちきれず冴えない3歳牝馬デニムアンドルビーであった。 さて、レースはスローペースであった。 では、彼女はより速いペースだとパフォーマンスを上げられるのか?いや、あげられないであろう。 日曜日のレースは彼女にとってすべての条件が向いたといえるからである。 鞍上のライアン・ムーアの騎乗も、彼女を好位置に導きそこからすべてを出し切り粘りこむ完璧なものであった。 ムーアはジェンティルドンナを先頭馬(エイシンフラッシュ)のすぐ後ろに位置づけ、レース中先頭から数馬身離れることはなかった。 直線では、ジェンティルドンナを先頭に導き、後方から迫ってきたデニムアンドルビーとトーセンジョーダンを退けるために、 ムーア騎手は少々の力(AP power)を開放しなければならなかった。 (※AP racingやAP power technology にかけてる?(不明)) 主戦である岩田康成騎手が騎乗して今年3戦すべて勝ちきれなかったことから、今回はムーア騎手が代わりに騎乗を任されていた。 日曜日のレースでつけたハナ差は、代わりに手綱を取ったムーア騎手の功績によるものであるのかもしれない。 しかし、実は勝ち馬はレースを勝つために今年見せていたパフォーマンスを一切向上させる必要がなかったのである。 つまり、ムーア騎手はジェンティルドンナのいつも通りのパフォーマンスをただ引き出せば充分であったのだ。 ジェンティルドンナが昨年得た指数は積に積んで126(ポンド)であった。 しかし、今年4歳になった彼女はそれよりもかなり低い指数でレースを走破したのだ。 日曜日に彼女が記録したRPRは112(ポンド)であり、これは今年彼女が走った3戦で記録したRPRとほぼ変わらないのである(参考:114、114、111)。 ジェンティルドンナの調教師はレースの前に、前走の敗戦は休み明けによるものであると理由づけており、今回で勝ち勘を取り戻せること期待していた。 そして、レースでは調教師の期待通りになった。 しかし、完璧な騎乗で完全に追い通された上でこの指数(112)であったということは、これが彼女の今現在のレベルなのであろう。 レースは前半、先頭5頭がスプリットタイム12.5を超える一定のペースで進めた。 そして、馬群は一気にゴールまで急加速し、11.1のスプリットタイムを2回記録した。 このようなレース展開は、ゴールの際に馬群が密集していることを意味するため、 牝馬の斤量ハンデを考慮すると、実はジェンティルドンナはメンバー中8位の指数(RPR)しか記録できていないということになるのだ。 昨年彼女が、オルフェーヴルやルーラーシップ、フェノーメノといったトップクラスの馬たちを破り、 レッドカドーをはじめとするヨーロッパ勢を6馬身以上ちぎり捨てたことは忘れてはいけない。 しかし、彼女に同様のパフォーマンスをもう期待してはいけないのであろう。 ジャパンカップ出走馬の中で持ちレーティングが抜けている馬は二頭いて、ジェンティルドンナはそのうちの一頭であった。 もう一方(ゴールドシップ)のほうはレースが始まる前からすでに衰え(終焉)の予兆が示されていたのかもしれない。 出走馬中最も期待を裏切ったゴールドシップは、今年に入ってから2度人気を裏切っていた。 昨年の彼は世界最高の3歳馬であったが、6月に宝塚記念を勝ったとはいえ、今年に入って彼はレースでやる気を出さなくなってきている。 宝塚記念の日、ゴールドシップのベストを引き出すために、鞍上の内田博之はレースの早い段階で馬を激しくしごき先頭集団につけなければならなかった。 それによってやる気が出たのであろう、彼はそのレースでRPR126(ポンド)をたたき出す快勝を見せた。 しかし、前走の阪神大賞典(※原文ママ)で再びズブさを見せてしまったことから、内田はJCでは乗り方を変えることを決意し言った。 「馬の思うがままに走らせようと思います」と。 この発言が出た際に、世界中の馬券購入者のために警報が鳴り響くべきであった。 なぜなら、ゴールドシップに好きなように行動させたら、彼は厩舎から一歩も出ないであろうからだ。 レースの日に彼は厩舎からは出たものの、その走りは予想通りともいえるもので17頭中15着に終わってしまった。 以下はオーストラリアのBufferingという馬についてなので割愛。 これでまたブラックキャビアの評価も上がるねとのこと。